異世界イヴァリースへ
(雪の積もっている校庭。それぞれ遊んだり、喋ったりしている子供達。) (笛が鳴る。子供達、2つの陣営に分かれる。) (マーシュ・ミュート・ライル・ヴァージニア(ランダム)の組とリッツ・ギネス・コリン・ノーマ(ランダム)の組。) |
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ライル | うわぁ、何だよこれ。 こっちのチーム、弱いヤツばっかじゃん。 こんなヤツらと組んだって、おもしろくも何ともないよ。 |
(ミュートに近づく。) | |
ライル | あれ、ミュート。 今日はクマさんと一緒じゃないの? |
(うつむくミュート。) | |
ミュート | ・・・・・・。 |
コリン | そりゃそうさ。 雪合戦なんかで大切なクマさんが汚れたら大変じゃん? |
ギネス | ママからもらった、大切なクマさんだもん、な〜? |
(マーシュが一歩出る。ミュートの隣に立つ。ライルを見る。) | |
ライル | 何だよ、転校生。 |
ギネス | ほっとけよ。どうせコイツ、言い返さないよ。 女みたいな性格なんだからさ。 |
(リッツ、前に出る。ギネスを見る。) | |
リッツ | そーゆー発言やめてくれない? 「セクハラ」って言うのよ。「じょせいべっし」だわ。 |
(マーシュ・ミュート・ライル達に近づく。) | |
ライル | な・・・何だよ、リッツ。 |
リッツ | そっちのチーム、イヤなんでしょ?なら、かわってあげるわよ。 これで満足? さっさとゲームを始めたいのよね。 |
(ライル、マーシュ達のチームから抜ける。) | |
リッツ | アンタも名前くらい言い返してやればいいのよ。 いつまでたっても「転校生」なんて呼ばれちゃって! |
(名前入力) (リッツは離れて正面を向く。) |
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ミュート | ごめんね、マーシュ。 |
マーシュ | 何でミュートが謝るのさ。ミュートは何も悪くないよ。 |
ミュート | ・・・・・・ |
(マーシュ、歩く。相手チームに向き直る。) (リッツ、教師(レスリー)の方を見る。) |
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リッツ | 先生、準備できました。ゲームを始めましょう! |
(教師が歩いて来る。) | |
教師 | よし、それじゃあ雪合戦を始めるぞ! |
(雪合戦開始。) (相手チームはミュートのみを狙って投げてくる。) |
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ライル | ちょこまか逃げるなよ、ミュート! |
コリン | ミュートってさ、逃げるのだけは上手いよなァ。 |
ミュート | ・・・・・・。 |
(イベントバトル終了。暗転。) (相手チームがミュートを囲むようにして雪玉を投げつけている。頭を抱えているミュート。) |
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リッツ | ちょっと、やめなさいよっ! |
ライル | ちゃんと雪合戦やってるだろ。 |
(リッツ、ミュートを見る。) | |
リッツ | よく言うわ。 さっきからミュートばかり狙ってるクセにっ! |
マーシュ | ミュート、大丈夫? |
(腕を下ろすミュート。) | |
ミュート | うん、平気・・・。 |
ギネス | ほらみろ、ミュートは平気って言ってるじゃん。 |
リッツ | 当たり前よ!平気じゃなかったらどうするつもり? |
(コリンが雪玉を投げつける。鈍い音。うずくまるミュート。) | |
ミュート | いたっ! |
マーシュ | ミュート、ひたいの所切れてるよ! |
ミュート | え・・・? |
マーシュ | 石が入ってたんだ・・・! |
(コリン、一歩前に出て言う。) | |
コリン | オレ、石なんて知らないぜ。雪玉投げただけだもん。 |
ギネス | だいたい、ミュートがトロイんだよ。 |
ライル | 狙われたって当然さ。ゲームに勝つには点を取らなきゃ。なぁ? |
リッツ | 勝てれば何してもいいわけ? アンタたち、最低ね。 これだから男のコって嫌いよ。 |
(振り返るライル。) | |
ライル | 何だと、この白髪オンナ! |
リッツ | 誰のことよっ!? |
(ギネスもリッツの方を向く。) | |
ギネス | 染めてるクセに! おまえのアタマ、ホントはまっ白じゃん! |
(飛び跳ねてはやし立てるコリン。) | |
コリン | やーい、ババア! いっつもすましやがって! |
リッツ | な、何ですってー! |
(コリンにつかみかかろうとするリッツ。笛が鳴る。) | |
教師 | いいかげんにしなさい! |
(2つのチームの間に割って入る。) | |
教師 | 雪合戦は中止! ライル、コリン、ギネス、先生と一緒に来なさい。 ミュート、ケガは大丈夫か? |
(立ち上がる。) | |
ミュート | あ・・・は、はい。 |
教師 | みんな今日はもう解散だ。 帰っていいぞ。 |
(帰る生徒達。暗転。) (帰ろうとしているリッツ、ミュート、マーシュ。立ち止まってミュートが言う。) |
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ミュート | あ、あの・・・・・・。 |
(マーシュとリッツが振り返る。) | |
ミュート | ・・・あ、・・・ありがとう。 |
リッツ | あたしは弱いものいじめがキライなの。 バッカみたい! |
ミュート | マーシュはこれからどうするの? |
マーシュ | え?なんで? |
ミュート | 本を、・・・古本を買おうと思って。一緒にどうかなって・・・。 |
マーシュ | ごめん。今日はダメだ。弟が退院してきてるから。 |
リッツ | 退院?弟さん、病気なの? |
マーシュ | 体が弱いんだ。・・・生まれつきね。 走ったりできなくて、病院を行ったり来たりしてる。 |
リッツ | ふぅん・・・大変ね。 |
(マーシュ、ミュートを見る。) | |
マーシュ | 本って、どんな本? |
ミュート | う〜ん、よくわかんない。 でも、何か魔法とか怪物とかそんなことが書かれてるみたい。 |
マーシュ | ねぇ、その本持って家においでよ。ドネッド・・・弟も喜ぶと思うんだ。 |
ミュート | ・・・いいの? |
(うなづくマーシュ。) | |
マーシュ | リッツもよかったらどう? |
リッツ | え・・・えっと、そうね。 今日は何もないし・・・行ってもいいかな。 |
マーシュ | じゃあ、きまり。 家の場所は、わかる? |
リッツ | 壁の黄色い、あの家でしょう? |
ミュート | ボク、本を買ったらすぐに行くよ。 |
マーシュ | うん、待ってる。 |
(歩き出す3人。暗転。) (St.イヴァリースの街。マーシュ達が歩いてくる。カフェの前に酔っ払った男。) |
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酔っ払い | うぃ〜・・・っク。 |
(シドの方を向く3人。ミュートは俯いている) | |
リッツ | やだ、昼間から酔っぱらい? |
酔っ払い | お、ミュートじゃないかぁ〜? 父さんだぁ。 シド・ランデル様だぞ〜〜。 |
(フラフラと歩くシド。ミュートが支える。) | |
シド | ミュートぉ、ど〜した、こんなじかんに〜。がっこうは〜。 おーおー、ミュートぉ。お前も父さんと、飲むかぁ? |
ミュート | ・・・ボクはいいよ。それよりパパ、ちゃんと歩けてないよ。 家までひとりで帰れる? |
シド | 酒はうまいぞ〜。やなこと、みーんな、わすれっちまうぞ〜〜。 |
ミュート | なら、明日はちゃんとしてくれるんだね? |
シド | おうよ。おうともさ。だから、あとすこし、もういっぱい〜。 |
(フラフラと歩いてゆくシド。見えなくなってからミュートが振り返る。うつむく。) | |
ミュート | ・・・ママが死んじゃってからずっとああなんだ。・・・かっこ悪いよね。 |
(前に出るマーシュ。) | |
マーシュ | ミュートの家ってさ、パパとママ、仲が良かったんだね。 |
(走る。振り返って言う。) | |
マーシュ | じゃあ、ふたりとも待ってるから。 |
(マーシュの姿が見えなくなる。) | |
リッツ | ミュートって、マーシュのこと、どれくらい知ってるの? |
ミュート | え? |
(ミュートの方を見る。) | |
リッツ | ミュートのパパにはちょっとビックリしたけど、 マーシュのところ、パパがいないって聞いたから。 |
ミュート | ・・・・・・。 |
(歩いていく2人。暗転。) (子供部屋。車椅子に座り、外を眺めているドネッド。) (ノックの音がする。マーシュが入ってくる。) |
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マーシュ | ドネッド。 |
(車椅子で移動。マーシュもドネッドの側へ。) | |
ドネッド | お帰り、お兄ちゃん。遅かったね。 |
マーシュ | 学校で雪合戦したんだ。あちこちびしょびしょだよ。 |
ドネッド | 雪合戦・・・。 どうせお兄ちゃん、当てられてばっかなんでしょ。 |
マーシュ | 雪になれてないだけさ。 |
(笑うドネッド。) | |
ドネッド | お兄ちゃん、ちょっと運動オンチだからね。 |
母親の声 | マーシュ、お友達よ。 |
(声のした方向に答える。) | |
マーシュ | あがってもらって。 |
ドネッド | お友達?呼んだの? |
(振り返る。) | |
マーシュ | おもしろい本を見つけたって言うから、持ってきてもらうことにしたんだ。 ドネッド、本、好きだろ?よく読んでるじゃない。 |
(顔をそらすドネッド。) | |
ドネッド | 病院だと本とゲームくらいしかやることがないだけだよ。 |
(ノックの音) | |
リッツ | おじゃましまーす。 |
(リッツとミュートが部屋に入ってくる。) | |
リッツ | こんにちは。あなたがドネッド? あたし、リッツっていうの。お兄さんのクラスメートよ。 こっちはミュート。よろしくね。 |
(ミュート、軽く頭を下げる。) | |
ドネッド | ヨロシク。 |
マーシュ | ミュート、本は? |
(ミュート、マーシュの脇に立ち、抱えていた本を出す。) | |
ミュート | これだよ。 古本屋のおじさんも、この本の題名を知らないんだって。 |
マーシュ | へぇ・・・・・・。 思ったよりずっと古いんだね・・・。 さ、ここに広げてよ。ドネッドも見えるよな? |
(本を広げる。座って読む4人。デモが流れる。) (マーシュがページをめくる。) |
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マーシュ | ・・・何が書いてあるのかさっぱりわからないや。 この言葉って魔法の呪文かな? |
リッツ | あながちウソじゃないかも。 だってこれって魔方陣でしょ? もとはラテン語なのかしら。書き直しがあるわね。 あとから訳を付け足したのね。 |
ミュート | ・・・アルタ・オロン。ソンドス・カミーラ。 ・・・ほんとに魔法みたい。 |
(顔を上げるドネッド。) | |
ドネッド | 魔法っていいなぁ。 ボクにも使えたらいいのに。 |
マーシュ | ドネッドも気に入ったみたいだね。 |
ドネッド | 魔法が使えたらさ、お兄ちゃんだってもっと運動うまくできるよ。 |
マーシュ | ヘンなこと言うなよ! |
ドネッド | あはは、本当のことじゃん。 |
(リッツ、ミュートも笑う。) | |
ミュート | ・・・でもね、本を読んでるとよく考えるんだ。 本の世界が現実だったら、って。 |
リッツ | あたしはイヤね、本なんて。だって「パターン」が決まっているんだもん。 |
マーシュ | リッツだったら何がいいの?まさかマンガって言わないよね。 |
リッツ | あたしだったらゲームかな。強いモンスター相手に剣で戦うの。 どう、おもしろいと思わない? |
マーシュ | どんなゲーム? |
リッツ | そうね、どんなのがいいかしら。 |
ミュート | 「ファイナルファンタジー」。ボクならそうする。 |
リッツ | けっこう時間たっちゃったわね。 そろそろ、おいとましようかな。 |
(リッツが立ち上がる。マーシュ、本を閉じる。ミュートが本を抱えて立ち上がる。) | |
ミュート | ボクも帰るよ。 じゃあね、マーシュ。明日また学校で。 |
リッツ | マーシュ、ミュート、今日は楽しかったわ。ドネッドもまたね。 |
ドネッド | バイバイ、リッツおねーちゃん。 |
マーシュ | そこまで送るよ。 ドネッド、ちょっと外へ行ってくるね。 |
(部屋を出て行く3人。) (車椅子の向きを変え、横目で窓を見る。) |
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ドネッド | 魔法、使えたらなぁ・・・。 |
母親の声 | ドネッド!おくすりの時間よ。ちゃんと飲まなきゃだめよ! |
ドネッド | わかってるよ、ママ! |
(暗転) (デモ。夜のSt.イヴァリース。雪が降っている。 ミュートの買った本がひとりでに開き、強い光を放つ。学校が荒地に変わる。 カフェのある通りが異国の街に変わり、通行人が異種族に変わる。 ベッドで眠るドネッドの体が光り、消える。 隣のベッドのマーシュの体が浮き上がり、光る。ソルジャーの服装になっている。 依然として、眠ったまま。ゆっくりと身体が降りていく。暗転。) (異国の街にいるマーシュ。鳥の鳴き声や喧騒が聞こえている。) |
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マーシュ | あれ・・・ここは・・・? |
(さまざまな種族や見慣れない格好をした人々。) (人のいる街中へと歩いていくマーシュ。2人組のバンガ族とぶつかる。) |
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マーシュ | あ、すみません。 |
ホワイトモンク | よそ見してンじゃねぇぞ! |
マーシュ | ト、トカゲ人間・・・? |
ホワイトモンク | なンだと、小僧っ!今、なンて言った!? |
マーシュ | えっ? |
ホワイトモンク | オレのことを「トカゲ」って言ったろ? あン?言ったよな? |
(後ずさりするマーシュ。) | |
ホワイトモンク | よくもオレたちバンガをトカゲ呼ばわりしやがったな! |
(詰め寄るホワイトモンク。首を振って後ずさりするマーシュ。) | |
声 | クポ〜。やっと見つけたクポ〜。 |
(モンブランが歩いてくる。) | |
ホワイトモンク | モーグリか。この小僧はお前のつれか? |
モンブラン | 田舎から出てきたばかりクポ。 あんたたちバンガのこと、よく知らないクポ〜。 |
マーシュ | ・・・・・・ |
モンブラン | ほら、あやまるクポ〜。 |
(慌てて頷くマーシュ。) | |
マーシュ | あ、う、うん。 |
(ホワイトモンクに頭を下げる。) | |
マーシュ | ごめんなさい。 |
モンブラン | ここはモグに免じて許してやってほしいクポ。 |
(マーシュに向かって頷き、一緒に去ろうとする。) | |
ホワイトモンク | おい、コラ、ちょっと待て! |
(振り返る2人。) | |
モンブラン | クポ? |
(ホワイトモンク、マーシュの格好をまじまじと見る。) | |
ホワイトモンク | よく見りゃ、お前のその格好・・・ソルジャーだな。 |
マーシュ | ソルジャー? |
ホワイトモンク | なら、ここでオレがエンゲったところで、文句はねぇってことだ! |
(笛の音。エンゲージの音楽。) | |
マーシュ | なに?どういうこと?? |
(ジャッジが現れる。) (マーシュ、後ろに下がる。) |
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モンブラン | エンゲージに入るクポ!! |
(エンゲージ開始。) (バンガ族が攻撃する。) |
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マーシュ | そうか・・・・・・! エンゲージって、バトルすることだったんだ! |
(マーシュの方を向く。) | |
モンブラン | クポ! なにあたりまえのことを言ってるクポ? ジャッジもいるし、今日のロウだってちゃんと決まってるクポ! |
(モンブランの方を向く。) | |
マーシュ | ジャッジ・・・?ロウ・・・?? |
モンブラン | エンゲージの最中だって言うのに、のんきな子だクポ〜。 今日のロウは「アイテム禁止」クポ! ちゃんと確認しておかなきゃひどい目にあうクポ! ほら、ジャッジが見てるクポ! |
(見ている。) | |
マーシュ | あ、う、うん。 やっとわかってきた・・・。「エンゲージ」はバトルで、「ロウ」はそのルール。 それに「ジャッジ」、あの鎧の騎士が、エンゲージを監視してるってことか・・・。 |
モンブラン | クポ、君の番だクポ! モグがサポートするから、腰の剣と「アビリティ」でうまくやりすごすクポ〜! |
マーシュ | う、うん。わかった。やってみる。 |
(エンゲージ続行) (バンガ族を倒す。ジャッジポイントが与えられる。) |
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ジャッジ | 戦闘不能を確認、ジャッジポイントを付与する! |
マーシュ | ジャッジポイント? |
モンブラン | ジャッジポイントを集めるクポ! そうすれば「コンボ」で協力攻撃ができるクポ。 エンゲージもぐ〜っと有利になるクポ! |
マーシュ | 相手をやっつければいいんだね? |
(モンブラン、頷く。) (エンゲージ続行。) (バンガ族を2人とも倒す。) |
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マーシュ | 何とか切り抜けられたの・・・かな? |
(バトルクリア。暗転。) (うずくまっているホワイトモンク。少し離れた所にマーシュとモンブラン、ジャッジがいる。) |
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ホワイトモンク | く、くそっ・・・! キズ薬・・・ポーションを・・・。 |
(ポーションを使う。 ジャッジが笛を吹く。) | |
ジャッジ | ロウ番号R2-4601、「アイテム禁止」違反! ロウ違反者をただちにプリズン送りとする! |
(レッドカードを掲げるジャッジ。プリズンに送られるホワイトモンク。) | |
モンブラン | クポポ〜〜。プリズン送りクポ。ああはなりたくないクポ〜。 |
マーシュ | プリズン・・・? |
モンブラン | ロウを破ったものが一時的に入れられるところクポ。 くら〜い、イヤな場所だクポ。 |
(ジャッジが2人に向き直る。) | |
ジャッジ | プリズンへの移送を完了。 面会を望むものは山岳都市スプロムのプリズンにて受け付ける。 |
(ジャッジが消える。) | |
マーシュ | 山岳都市スプロム?それにプリズン・・・・・・? ここはいったい・・・? |
(暗転。) (街外れにいる2人。) |
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マーシュ | 助けてくれてどうもありがとう。 |
モンブラン | バンガ族に「トカゲ」は禁句! こんなの赤ん坊でも知ってるクポ! |
マーシュ | ぼく、ほんとうに知らなかったんだ。 |
モンブラン | 知らなかったって・・・まさかバンガ族を見たの、初めてクポ? |
マーシュ | 実物を見るのは・・・ね・・・。 きみはいったい・・・? |
モンブラン | クポ?ヘンなこと言うクポ。 きみ、出身はどこクポ?カドアン?ミュスカデ? |
(首を振るマーシュ。) | |
マーシュ | その・・・よくわからないんだ。とても混乱して・・・。 どうしてヌイグルミがしゃべってるの? |
(驚くモンブラン) | |
モンブラン | ヌイグルミ!? モグはれっきとしたモーグリだクポ! |
マーシュ | だって、モーグリだなんて言われても・・・。 |
(頷くモンブラン。) | |
モンブラン | クポ。きみが混乱してるのはよ〜くわかったクポ。 おちついて整理するクポ。 まずこの街の名は「シリル」。イヴァリース王国の街のひとつクポ〜。 |
マーシュ | イヴァリース? ぼくの住んでる街と同じ名前だ。 |
モンブラン | 街? 国じゃないクポ? |
(頷く。) | |
マーシュ | うん。そこにはきみやトカゲ・・・バンガ族はいないんだ。人間だけなんだよ。 |
モンブラン | 他の街にもクポ? |
マーシュ | 世界中どこにもいない。 イヌとか、ネコとかはいるけど。 |
モンブラン | でも、さっき、見たことあるって言ったクポ。 |
マーシュ | うん・・・。何ていうか、実物じゃないんだ。 ぼく、ゲームの中できみたちを見たんだよ。 |
モンブラン | クポ〜? |
マーシュ | 「ファイナルファンタジー」って言うんだけど・・・、もちろん ホンモノの世界じゃないよ。おもちゃなんだ。 勇者がいて、物語があって、自由に冒険できるんだ・・・。 |
モンブラン | おもちゃとソックリってことクポ? |
マーシュ | そっくりっていうか・・・ゲームそのもの、かも。 |
モンブラン | なら、きみはおもちゃの中にやってきたクポ? |
マーシュ | そこがよくわからなくって・・・。 |
モンブラン | なんだか、あきれるくらいにすごい話になってきたクポ〜! |
マーシュ | ほんとうだよっ! |
モンブラン | そう言われても、にわかには信じがたいクポ〜。 |
(俯く。) | |
マーシュ | ぼく、これからどうしたらいいんだろう? |
(頷くモンブラン。) | |
モンブラン | モグにもっと詳しい話を聞かせてほしいクポ。 ここであったのも何かの縁クポ。できるだけ力になるクポ〜。 |
マーシュ | ありがとう。ぼく、マーシュっていうんだ。きみは? |
モンブラン | モンブランっていうクポ。 よし、マーシュ、モグについてくるクポ。 |
(歩き出す。暗転。) (パブにやって来る二人。) |
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マーシュ | ここは? |
(振り返るモンブラン) | |
モンブラン | クランのメンバーが集まる場所クポ。 クランっていうのは便利屋のことだと思っていいクポ〜。 |
(さまざまなジョブのメンバーがそれぞれ話をしている。) | |
マーシュ | 何ていうか、みんな、強そうだね。 |
モンブラン | クランがひきうける仕事は荒っぽいものが多いクポ。 そのぶん、実入りもいいし、おもしろい話もきけるクポ。 |
(モンブランを見る。) | |
マーシュ | じゃあ、ぼくが元の街へ帰る方法も・・・ |
(頷く。) | |
モンブラン | 探しやすいと思うクポ。 |
マーシュ | どうすればクランに入れるの? |
モンブラン | 簡単クポ。 モグが紹介すればマーシュもモグたちのクランメンバーだクポ。 |
(モンブラン、前へ進む。) | |
モンブラン | みんな、新しい仲間を紹介するクポ。 名前はマーシュ。 |
(マーシュも前に出る。頭を下げる。) | |
マーシュ | よろしくお願いします。 |
(モンブランとマーシュ、向き合う。) | |
モンブラン | モグと、あと何人かがマーシュの仕事を手伝うクポ〜。 帰る方法を探すためにも仕事は必要なものだクポ。 |
(頷く。) (段差を降りながら訊く。) |
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マーシュ | ねぇ、モンブラン。クランに名前はないの? |
モンブラン | モグのクランは小さいから、名前はつけてないクポ。 クポポ! マーシュ、何かいい名前を考えるクポ! |
マーシュ | ぼくが!? |
(飛び跳ねるモンブラン。) | |
モンブラン | クラン加入記念クポ! かっこいいのを頼むクポ〜。 |
(クラン名入力。デフォルトではナッツクラン。) | |
マーシュ | ナッツクランなんてどうかな? |
(頷くモンブラン。) | |
モンブラン | クポ〜! 今からこのクランはナッツクランだクポ!! まずは、なれることから始めるクポ。 今、マーシュがいるのは、こっちのイヴァリースなんだクポ〜! |
(頷くマーシュ。暗転。) |